熊の被害を防ぎ生還するために、「鉈(なた)と鳴り物」を持ち歩こう!
1970年1月から2001年6月20日までの32年間におけるヒグマによる人身事故は公式には63件だが、このうちの5件は熊が人に手を触れていない。熊を見て人が逃げようとして転び怪我をしたもので、これは自損事故。熊事件から削除すべきもの。
したがって、この32年間の人身事故は58件である。
このうち猟師の撃ち損じによる事故は22件:反撃されない撃ち方が肝要である。猟師に反撃する熊は熊の年齢、性別、子連れの有無に無関係である。
猟師以外の一般人の事故は36件である。
原因別では
@ 人を食うために襲った事件:9件
A 戯れいらだちで襲った事件:4件
B 排除するために襲った事件:23件
さらにBの排除は次の三つに大別される。
@ 遭遇(不意の出会い:対策は鳴り物を携帯する、軽いもの、呼子や笛、小さな鈴など):11件
A 越冬穴の確保(冬ごもり穴に足を踏み入れて襲われたもの):5件
B 子の保護、食べ物の入手、土地の確保のため:7件
一般人を襲った36件の熊の特性
@子を連れた母熊によるもの:10件
A2歳ないし3歳の単独熊によるもの:14件
B4歳の単独熊によるもの(同一個体である):2件
C多分2ないし3歳の単独の若熊と推定されるもの:9件
D5歳以上の単独熊(2001年5月6日,定山渓の事件):1件
死亡事故は12件 15名で、このうち武器を携帯していた者は1件1名である。この人は柄の長い(5尺)鉈鎌(ナタガマ)で熊に反撃して熊に抱きつかれて引っ掻かれ失血死した。
生還者は24件25名でいずれも鉈、包丁、鉄棒、石、足で蹴るなど、積極的に熊に反撃して助かった。
熊が襲って来た場合には、鉈で熊のどこでもよいから死に物狂いで叩きつけることである。熊に痛い目を負わせると必ず熊は人から離れて逃げるものである。このことは過去の事例が証明している。
「死んだふりは」間違った対処法である。
市販の「熊よけガススプレー」も瞬時に襲ってくる熊には通用しない。北海道で熊に襲われて「熊よけガススプレー」で熊を撃退した事例は一つもないことも知ってほしい。