北海道浜中町・北海道北広島市(2006年9月10月)における熊騒動


  北海道での最近(2006年9月10月)の熊騒動2件について



北海道北広島市で出没していた熊についての北海道新聞社職員の 佐藤 友則さんと交わしたメ−ルです。

<門崎から佐藤さんへのメ−ル>
 写真の熊は足跡から見て、1歳過ぎ、ないし2歳過ぎの 子熊ですね。いまだ、熊の出没が過剰な話題になることに、心が痛みます。知床では昨年32頭もの熊が駆除されていることに、佐藤さんはどう思いますか。
私は日本の自然保護の貧しさ、熊研究者の生き物の命をかるんじる独善性、マスコミの真実を報道しない欺瞞さに強い怒りを感じています。

門崎允昭



<佐藤さんから門崎へのメ−ル>
 熊は昨日までに捕獲、いや駆除されました。後に残された親子2頭は射殺、最初に罠で捕獲された子熊は薬殺という何とも残酷な方法で殺されました。確かに家のすぐ裏を歩かれるのは少々不安でしたが、畑のデントコーンを食べた以外は特に悪さをするでもなく、もう少し別な方法で何とかならなかったかなというのが正直な感想です。
熊とうまく付き合っていけるなら、熊がいた方が人間に森を荒らされなくて良いのですけどね。現に駆除された直後に商売でと思われる人間がキノコ狩りに森に入っていました。
知床の件は先生のホ−ムペ−ジで知りました。何が世界遺産でしょう。
人間の命、飼い犬の命、野生の熊の命、重さに違いはないはずなんですが。今回は後味の悪さだけが残りました。



<以下は北海道浜中町で猟師が熊に反撃され死亡した件での「同町加藤弘二町議」の熊対策について門崎への問い合わせに対する返信メ−ルです>


・熊対策ですが、基本的に熊を殺さない、被害(人身と経済的被害「作物や家畜など」)も発生させない取り組みをすべきだと私は考え、いろいろな具体策を提起しています。

・熊についてですが、熊は自然状態で、無制限に増加しません。

・被害を防ぐには、熊の生息地(熊が長期に利用している場所)に人が入る場合には声を時々張り上げるなり、笛を吹くなりして、遭遇を防ぐことが必要です。

・時に音を立てていても、熊の方で、故意に人に手をだすことがありますが、これに対しては、人が鉈などで積極的に反撃することが、生還への必須条件です。そういう熊は年間にして全道でも1頭以下です。死んだふりやガススプレイは現実的ではありません。

・死んだふりをして、助かった事例は日本ではありません。ガススプレイは瞬時に襲い来る熊には通用しませんし、人がガスを少しでも吸ったら呼吸ができませんし、肌にガスが付着しただけで、皮膚が炎症起こし、我慢できません。目に入ったら目を明けていられません。そういうしろものです。

・牧場や人家付近での、熊の侵入を防ぐには、有刺鉄線を網の目状に(目の大きさ15cmから20cm)高さ2m程に柵で張るなり、有刺鉄線を地面に輪状に広げて設置することで、防止できます。・電気柵は保守に経費と手間がかかります。

・まず、熊を含む自然との共存として、人が果たすべきことをしないで、熊を駆除することは間違いです。

・北海道に熊がいて、当たり前なんです。まず、そのことを道民が認識し認めることが肝心です。熊は北海道の自然の元締めであり、緊張感ある北海道の自然を創出している 獣なんです。今も行政の熊に対する対応は40年前と変わりません。昨年は道内で578頭の熊を殺しましたこのうちには、知床での32頭も含まれています。この現実は世界自然遺産の名が泣きますね。




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