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北海道でのヒグマによる人身事件の概要一覧
(1970年〜2013年)2006年以降は別記
   
事件No.
発生 年月日 発生地 被害者の行動 被害者の性別・年齢・状況 加害グマ 加害原因 人身の食痕の有無
1
70.7.25-27 カムイエクウチカウシ山 遊山(登山) 男18,21,23歳 3名死亡、2名生還 雌2歳6ヵ月齢 排除   食痕有
2
70. 7.27 士別市 山林作業(下草刈) 男75歳 1名負傷 雄3歳6ヵ月齢 排除(遭遇)
3
70.12. 5 八雲町 狩猟行為(深追) 男49歳 1名死亡 雄(8歳) 排除
4
71.11. 4 滝上町 狩猟 男68歳 1名死亡 雄(10歳) 排除 食痕有
5
72. 4. 6 美深町 狩猟 男41歳 1名負傷 雄4〜5歳 排除
6
73. 5. 2 当別町 狩猟 男55歳 1名負傷 雄成獣 排除
7
73. 5 .6 木古内町 遊山(山菜採り) 男50歳 1名死亡 雄「若熊」 排除
8
73. 9.17 厚沢部町 山林作業(筋刈) 男45歳 1名死亡 母獣 食害 食痕有
9
74. 5.30 上ノ国町 狩猟 男44歳 1名負傷 雌6歳 排除
10
74. 8.15 留辺蘂町 狩猟 男46歳 1名負傷 「2歳」 排除
11
74.11.11 斜里町 狩猟 男37歳 1名死亡 雄14〜16歳 排除
12
75. 4. 8 長万部町 山林作業(毎木調査) 男53歳 1名負傷 (若熊)穴熊 排除
13
75. 7. 1 浦幌町 山林作業(下草刈) 女40歳 1名負傷 「2歳」 排除(遭遇)
14
76. 6. 4 千歳市 山林作業(伐採) 男56歳 1名負傷 雌2歳4ヵ月齢 食害
15
76. 6. 5 千歳市 遊山(山菜採り) 男53歳 1名負傷 上記と同一個体 食害
16
76. 6. 9 千歳市 遊山(山菜採り) 男58,54歳 2名死亡    〃 食害 1名に食痕有り
同上 男26歳 1名負傷
17
76.12. 2 下川町 山林作業(除伐) 男54歳 1名死亡 母獣13歳穴熊 排除
18
77. 3.31 三笠市 山林作業(毎木調査) 男45歳 1名負傷 雄「若熊」 排除
19
77. 4. 7 滝上町 山林作業(除伐) 男39歳 1名負傷 母獣穴熊 排除
20
77. 5.27 大成町 遊山(山菜採り) 男55歳 1名死亡 雌4歳8ヵ月齢 食害 食痕有
21
77. 9.24 大成町 遊山(川魚釣り) 男36歳 1名死亡 上記と同一個体 食害 食痕有
22
79. 4.26 枝幸町 狩猟 男69歳 1名負傷 母獣穴熊 排除
23
79. 6.14 富良野市 熊が直接原因ではない     
24
79. 9.28 江差町 山林作業(下草刈) 男79歳 1名負傷 「2歳」 排除
25
80. 2.25 佐呂間町 山林作業(除伐) 男50歳 1名負傷 母熊穴熊 排除
26
80.10.27 羅臼町 狩猟 男57歳 1名負傷 母獣 排除
27
81. 5.15 穂別町 遊山(山菜採り) 男45歳 1名負傷 母獣 排除(遭遇)
28
81. 8.10 えりも町 狩猟 男38歳 1名負傷 母獣 排除
29
83. 5.19 置戸町 山林作業(測量) 男34歳 1名負傷 雄「若熊」 排除(遭遇)
30
83. 6. 4 島牧村 遊山(山菜採り) 男48歳  1名負傷 「2歳」 戯れ
31
83. 7.11 八雲町 山林作業(土木工事) 男37歳 1名負傷 (2歳) [自損]
32
84. 5. 5 滝上町 熊が直接原因ではない     
33
84. 8.30 広尾町 山林作業(調査) 男49歳 1名負傷 母獣 排除(遭遇)
34
85. 4.22 羅臼町 狩猟 男62歳 1名死亡 不明 排除
35
85. 7.16 福島町 畑作 女59歳 1名負傷 「2歳5ヵ月齢」 戯れ
36
86. 8.30 斜里町 巡視(漁場) 男59歳 1名負傷 母獣 排除(遭遇)
37
89.11.15 広尾町 狩猟 男51歳 1名負傷 母獣 排除
38
89.11.24 弟子屈町 狩猟 男40歳 1名負傷 母獣 排除
39
90. 3. 7 芦別市 山林作業(毎木調査) 男52歳 1名負傷 母獣穴熊 [自損]
40
90. 9.21 森町 遊山(キノコ採り) 男75歳 1名死亡 雄2歳8ヵ月齢 食害 食痕有
41
90.10.21 上ノ国町 山仕事(五葉松採り) 男85歳 1名死亡 「2歳」 排除
42
90.10.30 紋別市 狩猟 男54歳 1名負傷 母獣 排除
43
91. 5.12 上ノ国町 遊山(山菜採り) 男58歳 1名負傷 「2歳」 戯れ
44
92. 5.12 上ノ国町 遊山(山菜採り) 男62歳 1名負傷 若熊 [自損]
45
92.11.17 遠軽町男 山林作業(除伐) 男54歳 1名負傷 「若熊」 排除(遭遇)
46
93.10. 2 函館市 狩猟 男77歳 1名負傷 雄(14歳) 排除
47
95. 2.13 紋別市 山林作業(除伐) 男52歳 1名負傷 雌「若熊」穴熊 排除
48
96. 6. 2 紋別市 遊山(山菜採り) 男60歳 1名負傷 母獣 排除(遭遇)
49
97. 8.24 滝上町 狩猟 男66歳 1名負傷 雄(7歳) 排除
50
98.11.23 白糠町 狩猟 男44歳 1名負傷 雄(7〜8歳) 排除
51
98.11.23 新得町 狩猟 男51歳 1名負傷 雌(成獣) 排除
52
99. 5.10 木古内町 遊山(川魚釣り) 男47歳 1名死亡 雄2歳3ヵ月齢 食害 食痕有
53
99. 5 11 木古内町 遊山(山菜採り) 女30,50歳 2名負傷 上記と同一個体 排除
54
99.10.10 登別市 遊山(山菜採り) 男31歳 1名負傷 若熊 排除(遭遇)
55
99.10.31 音別町 狩猟 男64歳 1名負傷 雄(3歳) 排除
56
99.12.19 紋別市 狩猟 男58歳 1名負傷 雄(6歳) 排除
57
00. 4.23 上磯町 遊山(山菜採り) 男68歳 1名無傷 「若熊」 戯れ
58
00. 6. 4 恵山町 山林作業(下草刈) 男75歳 1名無傷 母獣 排除
59
00.11. 1 白糠町 狩猟 男60歳 1名負傷 母獣 排除
60
00.11.12 平取町 狩猟 男73歳 1名死亡 不明 排除
61
01. 4.18 白糠町 山菜採り 女42歳 1名死亡 母獣 排除(遭遇)
62
01. 4.30 遠別町 狩猟 男70歳 1名負傷 母獣 排除
63
01. 5. 6 札幌市 遊山(山菜採り) 男53歳 1名死亡 雄8歳3ヵ月齢 食害 食痕有
64
01. 5.10 門別町 狩猟 男81歳 1名死亡 雄(5〜6歳) 排除
65
02. 8.28 南富良野町 巡視(畑) 男78歳 1名負傷 不明(6〜7歳) 排除
66
04.11.26 新冠町 狩猟 男67,65歳 2名重軽傷 母獣 排除
67
05. 9.24 白糠町 遊山(山菜採り) 男74歳 1名死亡 母獣 排除
68
05.10. 4 穂別町 狩猟 男71歳,50代 2名重軽傷 単独か母獣(?) 排除

 

△印の事件(5件)は実際には熊は人を襲っておらず自損事故である(事件Nos. 23,31,32,39,44)。
○印は一般人の事故(36件)、無印は猟師の事故(26件)である。
排除(遭遇)とは原因が不意の出会いによるもの11件(事件Nos. 2,13,27,29,33,36,45,48,54,65,67)。
( )内の年齢は猟師による推定年齢で、猟師は高齢に見る場合が多いので、実年齢はこれよりも若い場合がある。
「 」内の年齢は獲れず正確な年齢は不明だが、状況から確定した推定年齢。穴熊とは冬ごもり中の熊のこと。若熊とは2〜3歳の熊のこと。
母獣とは子を連れた母熊のこと。食痕有、は被害者の身体に熊に喰われた痕があること(7件、事件Nos. 2,4,8,20,21,40,52)。
襲った原因が「戯れ」4件(Nos.30,35,43,57)、「食害」9件(Nos. 8,14,15,16,20,21,40,52、63)
「排除」24件(1,2,7,12,13,17,18,19,24,25,27,29,33,36,41,45,47,48,53,54,58,61,65,67)。
一般人の死亡事故13件の中、武器不携帯11件(1,8,16,20,21,40,41,52,61,63,67)、武器携帯2件(7?,17)。
一般人が生還した事故24件(2,12,13,14,15,18,19,24,25,27,29,30,33,35,36,43,45,47,48,53,5457,58,65)、
この中武器携帯9件(2,12,18,24,27,43,48,57,58)、武器不携帯15件(3,14,15,19,25,29,30,33,35,36,45,47,53,54,65)である。
また、熊が積極的に襲ってきた事故は12件(1,14,15,18,24,30,43,48,53,57,58,65)、被害者が熊を見て逃げて襲われた事故9件(2,13,27,29,33,35,36,45,54)である。
 上記資料の出典は著者の次の報文による:北海道開拓記念館研究年報1号(1972), 7号(1979), 13号(1985)。
北海道開拓記念館調査報告4号(1973), 9号(1975)。森林野生動物研究会誌18号(1991), 21号(1995), 25・26号(2000)。
 

2006 年1月以降の羆による人身事故一覧

<2006年1月以降、今日までの、羆による人身事故一覧(門崎允昭調査による)>   
2006年1月〜2013年4月末迄の間8年間に、一般人11件(下線付きNo.が該当)、猟師7件、計18件の事故が発生している

<2006年は2件発生>

      No.69  @ 2006年6月16日 静内町 山菜採り  男53歳一人死亡、加害熊は未捕獲である。 
                 鳴り物も武器も不携帯。もがいていたら熊が離れた。
No.70  A 2006年10月1日 浦河町 山菜採り 男一人負傷 母子熊の母。鳴り物も武器も不携帯。
もがいていたら熊が離れた。
No.71  B 2006年10月14日 浜中町 狩猟手負い逆襲、男62歳、伊東博、一人死亡、男59歳、森一郎、一人重傷、
加害熊雄成獣(推定5歳以上、猟師推定)射殺した。被害者は頭部攻撃されていた
No.72  C 2006年10月28日 新十津川町 山菜採り 男一人負傷。鳴り物も武器も不携帯。もがいていたら熊が離れた。

<2007年は2件発生>
No.73 @ 2007年8月9日 様似町 狩猟手負い逆襲、青柳多門 男68歳一人重傷、顔面攻撃された。熊は未捕獲である。
No.74  A  2007年10月13日 士別市朝日町茂志利の山林、 狩猟手負い逆襲、男52歳、原子一男、一人重傷、頭部攻撃された。
熊は未捕獲である。 <2008年は3件発生>
No.75  @ 2008年4月6日   北斗市(上磯)山菜(アイヌネギ)採り 男50歳、掘抜誠一、一人死亡、ほぼ全身に熊の爪による傷があり。
加害熊は体長1.2m程の雄熊で射殺された。鳴り物も武器も不携帯。
遇し No.76  A 2008年7月22 日 松前町 猟師(遭遇)男67歳、死亡、岡田武慶、ライフル銃を携帯し檻罠の設置場所を検分に行き熊と遭、
発砲逆襲されたもの。現場付近の住民が2発の発砲音を聞いている。熊は未捕獲。
No.77  B 2008年9月17日 標津町 鮭の密漁、 男58歳、長沢進、一人死亡、鮭を採食中の熊に遭遇し襲われた可能性が強い。
鳴り物も武器も不携帯。 <2009年は2件発生>
No.78  @ 2009年10月30日 16時15分頃、 苫前町 三渓の林道を散歩中熊に遭遇、走り逃げて、後ろから襲われ、後頭部に軽傷。
農業、林健志、66歳。熊は未捕獲。熊は2歳9ヶ月令らしい。鳴り物も武器も不携帯、もがいていたら熊が離れた。
No.79 A 静内町豊畑のレントコーン畑で、2009年9月8日、会社役員、山内美知憲、男71歳、猟師、逆襲反撃、頭部に重傷、
同僚が熊を射殺、熊は雄成獣。 <2010年は3件発生> No.80  @ 2010年5月22日 むかわ町穂別仁和の私有林で被害に遭う、山菜採り、男73歳、農業、以頭和夫イトウカズオ氏、一人死亡、
加害熊は不明。鳴り物も武器も不携帯。
No.81  A 2010年6月5 日 帯広市広野町西2線125の私有林で被害に遭う、山菜採り、女66歳、無職、主婦、谷藤順子、死亡。
熊は母子で母熊が襲う。鳴り物も武器も不携帯。
              No.82  B 2010年12月5日正午頃、上川町東雲の別取山付近、鹿猟中、熊の打ち損じが原因、猟師男60歳一人死亡、
顔面陥没骨折・左手小指切断などの傷有り、無職、福士雅憲フクシマサノリ。 <2011年は2件発生>
No.83  @ 2011年4月16日 上ノ国町小安在コアンザイの山中で、山菜採り、男63歳、土木作業員、細川義春氏、一人死亡、
着衣の状態で仰向けに倒れ、顔腹部背中に引っ掻き傷、全身を隠すように笹を被せてあった、加害熊は不明。
遺体に笹を被せていたことは食べ物と見なした証拠である。鳴り物も武器も不携帯。
No.84  A 2011年8月24 日午前6:30頃、遠軽町丸瀬布上丸の須藤牧場の山林で、熊を撃ち損じ逆襲され2名が被害に遭う、
須藤武夫61歳(尻と左手に軽傷)と岡崎春男61歳(右手中指を複雑骨折)。加害熊(約5歳の雌、体長約160cm、
体重約150kg)は須藤が射殺した。               <2012年は 未発生> <2013年は4月末現在2件発生> No.85  @ 2013年4月16日   瀬棚町良瑠石ラルイシで、山菜(カタクリ)採り、女、葛西和子52歳、主婦、死亡、四肢の筋肉喰われる。
ほぼ全裸。加害熊は不明。鳴り物も武器も不携帯。
No.86  A 2013年4月29日 静内町西川の山林で、山菜(アイヌネギ)採り。男、岡部隆53歳、熊に襲われ胸(両乳頭内側に各1個の
爪による浅い傷)と(背右腰部上に2個の浅い爪による傷)を受く。
普通の紙切り鋏(全長20cm程の)で反撃。熊は逃亡(母子の母熊との見解もあるが、被害者は1頭しか見ていないので、
単独個体の可能性が強い)。武器は持参した鋏。鋏には熊の血が付着していないので、熊の皮下までは刺さってはいない。
リックサックに径4cm程の鈴を着けていたが、崖下の熊には聞こえなかった可能性が強い。